聴いてナットク! 観てナットク! 障害者就労の第三の道、「ソーシャル・ファーム」をサクッと知る集い

次代の神ワード ソーシャル・ファームがおもしろいほどよくわかる!

わたしは障害者のための就労継続支援事業所(A型)の利用者(メンバー)のひとりとして、ふだんは事業所内でIT関連の業務をおこなっております。 朗真堂では基本的にわたしたち利用者が主体的に業務をおこない、スタッフは主にそのサポートをするかたちで活動しております。 朗真堂のおこなっているビジネススタイルは、いま欧米ですでにポピュラー化されている「ソーシャル・ファーム」だと考えております。 わたしは朗真堂を利用して3年近くになりますが、その活動のなかからソーシャル・ファームの社会的有益性を痛感してきました。 そのようなことから、ソーシャル・ファームの内側にいるにんげんとして、その実態を広く一般のかたがたにも知っていただきたいと考えるに至りました。 このイベントは、わたしを含む利用者自らが企画・立案し、上映映画の手配、講演者・シンポジストの選考および出演交渉、会場の確保、後援依頼など、ほとんどすべての準備活動に携わっております。 ソーシャル・ファームが一体どんなものなのか前提知識のないかたでも、すんなり概要が理解できる内容になっております。 どうかみなさんお気軽にご参加ください! やればできるさ実行委員会委員長 西川 真
◎イベント概要
日 時: 平成28年11月5日(土)12:30~16:30
会 場: 埼玉県障害者交流センター(埼玉県さいたま市浦和区大原3丁目10−1) 多目的ホール
参加費: 無料 / 資料代:500円
内 容:
  1. 映画上映 「人生、ここにあり!」( http://jinsei-koko.com/ ) ※ 日本語吹き替えに対応いたしました。
  2. 基調講演「ソーシャル・ファームのいまとこれから」 講演者: 浦和大学総合福祉学部 学部長・教授 寺島 彰  氏
  3. シンポジウム「日本におけるソーシャル・ファームの実際」 コーディネーター: 寺島 彰  氏 シンポジスト: 特定非営利活動法人はぁもにぃ 理事長 長浜 光子 氏 特定非営利活動法人地球船クラブ エコミラ江東 代表 鳥海 武  氏 一般社団法人朗真堂 代表理事 鈴木 秀一
主 催: 障害者就労継続支援事業所 一般社団法人朗真堂
協 賛: 株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 株式会社タキザワ漢方廠 株式会社ジョラスコーポレーション
後 援: 埼玉県 さいたま市 NPO法人埼玉県障害者協議会 NPO法人さいたま市障害者協議会 公益社団法人埼玉県雇用開発協会 障害福祉サービス事業所Kauri(伊奈町) NPO法人自立生活センターくれぱす 一般社団法人tokotoko発達支援センター さいたま新都心ロータリークラブ 本棚すっきり研究所 キリンビバレッジ株式会社 株式会社レノアコーポレーション 一般社団法人マザー・ニア 有限会社オフィス・フォーハウト 株式会社ムソウ 株式会社DREAM SQUARE 埼玉新聞社 大宮経済新聞 テレ玉
◎タイムテーブル
12:00 開場
12:30~ ごあいさつ
12:40~ 映画上映 「人生、ここにあり!」
14:40~ 休憩
14:50~ 基調講演「ソーシャル・ファームのいまとこれから」
15:20~ シンポジウム「日本におけるソーシャル・ファームの実際」
16:30 閉会

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terashima

大学で障害児教育について学んだ後、身体障害者更生施設のソーシャルワーカーとし て16年間勤務、厚生省(現厚生労働省)障害福祉専門官、国立身体障害者リハビリテーションセンター国際協力専門官、同センター研究所障害福祉研究部社会適応システム開発室長、同障害福祉研究部長等を経て現職。研究テーマは、障害者政策と福祉機器を活用したソーシャルワーク。

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nagahama

アスペルガー症候群と広汎性発達障碍の特性を持つ2人の子と暮らす。2007年「発達及び知的障碍児・者を支援する会」特定非営利活動法人はあもにいを立ち上げ活動をはじめた。設立以来、障碍特性を持つ子ども達の放課後等の余暇活動支援の場として「放課後等デイサービス」事業を続け2012年より、はあもにいSocialfirmプロジェクトを開始した。

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toriumi

平成22年4月、区民・行政・企業・NPOが 協力して、共生社会実現に向け、環境・福祉・教育を融合させたエコミラ江東の立上げに関与するとともに、設立当初から現在に至るまで、その運営等に携わっている。

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suzuki

民間企業でITや企画、人材育成など広く 携わる。2012年に「人間らしく生きている人に会いたい」と思うが会えず。その後、 ある企業訪問した先で会った障害者の働く姿や接する態度を見て、こんなに素直に生きている人は見たことがない!と思い、福祉に目覚める。障害者を中心とした社会構造に向けて、すべての人の生きづらさが無くなる社会を目指している。

知っておくとちょっとタメになる「ソーシャル・ファーム」の基礎知識

「ソーシャル・ファーム」の定義

日本国内においては明確な定義が存在しないというのが現状です。 ただ、海外のソーシャルファームの特徴としては、以下の共通点が見られます。
  1. 障害のある人々や労働市場において不利があるその他の人々を雇用するためにつくられている

    障害などが原因で仕事に就くことが難しかったり、継続することが困難なひとに仕事を与え、労働を通じて「活きがい」を感じられるような社会的使命を持つということです。
  2. 企業的な目的・活動を行っていること

    通常の自由市場で競いうるだけのクオリティーを追求した商品の製造やサービスを提供することも特徴と言えます。
  3. 全ての従業員が、同じ雇用の権利と義務をもつ

    労働の機会は不利な立場にある従業員と不利な立場にはない従業員とに平等に与えられるという点も大きな特徴です。

「ソーシャル・ファーム」の歴史

1970年ごろ北イタリアの精神病院で始まったと言われています(「ソーシャル・コーポラティブ(社会的協同組合)」と呼ばれています)。 当時、治療や入院が必要なくなった当事者が地域に戻り仕事に就こうとしても、多くの差別や偏見でそれが叶えられることはほとんどありませんでした。 「それでも働きたい」、そういう想いが1つになり、病院の職員と当事者自身がいっしょに企業を立ち上げるに至りました。 自分たちの仕事は自分たちで生み出す、これがソーシャル・ファームの始まりです。 このスタイルは1980年代になって徐々ににヨーロッパ各地に広がっていきました。 しかし日本においては、ソーシャル・ファーム、あるいはそれに類似する取り組みがいくつかなされていますが、現時点ではまだ知るひとぞ知る存在にとどまっています。

日本における「ソーシャル・ファーム」発展の意義

現在日本での障害者就労は、おもに障害者雇用率制度に基づいて一般企業等に就労する「一般就労」と、障害者総合支援法に基づき、社会福祉法人などの運営する就労継続支援事業所等で就労する「福祉的就労」に二分化されています。 しかしハローワークや特別支援学校などの紹介で一般就労に就く障害者を受け入れる十分な労働環境が準備されている企業は少なく、せっかく一般企業での就労を果たしても、すぐに辞めてしまう例が少なくありません。 また、福祉的就労に満足せず、より高いレベルで働きたいという障害者も、現状では敷居が高い一般就労を目指すしかほとんど道がなく、そのような向上心を持った障害者の大きな障壁になっているという現状があります。 ソーシャル・ファームはそのような「制度のはざま」にいる障害者の重要な受け皿になる可能性を秘めています。